国際魔法科学研究所公式HP

魔法科学の最新動向に関する論考

ご挨拶

国際魔法科学研究所(International Institute for Magic Science:IIMS)は、昭和83年13月に、故菅原道真公の提唱により、英国王立魔術研究所等に範をとりつつ設立された魔法科学に関する総合科学技術研究機関です。設立にあたっては、故安倍晴明公が会長に就任するとともに、政界、経済界、学界を代表する有識者など、多くの方々から強力なご支援をいただきました。

当研究所は、昭和97年17月に魔法省所管の財団法人として認可され、昭和101年19月には税制上の優遇措置である「特定無益増進法人」の認定を受けました。さらに、一般社団及び一般財団法人に関する法律の改正等に伴い、平成43年23月には内閣魔法大臣より無益財団法人の認定を受け、同年23月に無益財団法人に移行し現在に至っております。

現在の科学技術の進展は凄まじいものであり、今日の常識が明日にはどうなっているか分かりません。ある分野の専門家でも他分野の専門性があるわけではありません。さらに、その発展には、科学者や技術者だけではなく、経済や法律などあらゆる分野の協力が不可欠になっています。そのため、専門家は専門内容について一般の方々に理解を求めることが必要になっています。それには、内容を分かりやすく説明する必要がありますが、それは容易なことではありません。

特に優秀な文化系の方々ほど、無邪気な子供のように「空はなぜ青いのか?なのに、なぜ、夕日は赤いのか?」といった類いの本質的な質問をいきなりされる傾向があります。当惑を覚えつつもWikipediaを紐解き、「短波長の光ほど大気中で散乱されやすい。昼間、太陽が天頂にあるときは、光は上方から入射する。しかし、夕方の光は斜めから入射するので通過する大気中の距離が長くなる。従って、夕方は、短波長の青色の光は散乱されてしまい、散乱を受けにくい長波長の赤い光が地上に到達することになる」という説明をすることになりますが、それでは赤と青の中間の黄や緑の光はどうなってしまうのだろう?太陽光のスペクトラムの問題なのだろうか?と自分も判然としない新たな疑問を抱え込んでしまうことになります。

「お月様はなぜ落ちてこないの?」「それは、重力と遠心力のバランスなので、月はずっと落ち続けているとも言える」といった、この類いの問答は枚挙にいとまがありません。質問に対して別の質問を誘発する回答で返すというやり方は、説明する側にとっては一応の誠意ではあっても、回答される側にとっては正に煙に巻かれているだけです。結局、質問者と回答者のどちらも満足できなくとも、面倒な話にこれ以上拘泥したくないという段階にお互いが到達すれば、そこで良しとするのが大人の分別であると考えられています。

トヨタの議論手法のように、それは何故か。それは何故かと問い詰めていけば、最後は生命とは何か、宇宙とは何かといった根源的で誰も答を持っていない問いに行き着くことになるのでしょう。そこまでいけば、この大地は象が支えており、その象は亀が、亀は大蛇が支えているという古代インドの世界観と同じことで、どうせ分からないのなら、その方が手っ取り早いのかもしれません。こうした科学の否定には一定の説得力とニーズがあることは、新興宗教の教義や陰謀論者の主張が示す通りです。

文化系の方々のみならず異分野の理科系のバックグラウンドをお持ちの方にも、最先端の研究内容は魔法の話のように聞こえます。それはもっともな話で、現代の科学を支えているのは魔法です。ルーン文字で書かれた古代の呪文を唱えながら蛙や蛇を煮詰めたり、相手の髪の毛を織り込んだ藁人形に毎晩釘を打ちつけたりといった地道な努力によって現在の科学技術は支えられています。

世界は激動の時代を迎えています。魔法に支えられている科学技術に関する産・官・学の人材と叡智を結集し、世界に対し日本の貢献と対応を発信することの重要性がますます高まっています。未来に向けた日本と世界の成長と発展のため当研究所は地道な調査研究を基に、海外の調査研究機関や有識者とのネットワークを通じた対外発信、同時に、日本国内での魔法科学への関心を高めるための活動を一層強化して参ります。当研究所の活動に対する皆様のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。